日本は51%が豪雪地帯
実は日本の面積の半分以上、51%は「豪雪地帯」ってご存じでしたか?
参照:国土交通省「豪雪地帯の現状と対策」より
もちろん、雪山や、北海道の大平原なども含んでの数字ですが、
それでも、10万人以上の大都市で豪雪地域に存在している都市の数では
日本は世界最上位クラスなんです。
最低気温などのニュースなどにより、
ヨーロッパやロシアなどのほうが、もの凄い雪が降るイメージがありますが、
日本の豪雪地域にある大都市は
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・青森市の年間降雪量 792cm
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・札幌市の年間降雪量 483cm
。
・富山市の年間降雪量 363cm
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・秋田市の年間降雪量 271cm
。
など、豪雪地帯にある大都市の数は、日本が突出しています。
これは、国土の広さも影響していますが、
それ以上に、豪雪地域でも生活を可能としてきた、
日本独自の建築での工夫が大きな理由と言えます。
その中でも屋根は雪に対し、一番重要な部分です。
そのため、様々な雪を想定した屋根が進化してきました。
特に金属屋根は、数ある屋根材の中でも、
最も雪に対して有利な屋根として、雪を想定した様々な改良がなされてきました。
1.すがもれを防ぐ水密構造
「 すがもれ 」とは、屋根に積もった雪が、外側は寒い外気でそのままなのに対し、
雪の下部分だけは、室内の温度で溶け、かまくらのように空洞が生まれ、
そこに溜まった雪解け水が、逃げ場がなくなり、軒先などから染みこんでしまう
雨漏りのことです。
カナメの金属屋根では、屋根材の左右にもうけた、水の浸入を防ぐ段差を
3段に増やすことで、雪解け水が染みこんできても、
3重の構えで、それ以上の染みこみをブロックします。
2.ユキノキ
屋根の積雪は、軒先側に滑り落ちてきますが、
1cmの積雪でも、1㎡の重さは約3kgと計算されます。
豪雪地域では雪の重さが、50kgや150kgになることも珍しくありません。
その雪の塊が軒先に滑り落ちてくると、
軒先につけられた「雨樋」を破損させてしまいます。
この落雪による雨樋の破損を防ぐために、
雨樋に雪用のカバーをつけた雨樋があります。
このユキノキは、通常の雨水は樋に誘導し、
雪はカバーの上を滑り落ちますので、雨どいの破損を防げます。
雪と共生してきた日本の屋根
このように、金属屋根一つをとっても、
日本の建築文化は、自然環境にあらがうのではなく、
うまく、受け流し、共生する
日本独自の「ものづくり」良さが表れています。