屋根は服の「重ね着」と同じ
お家の屋根は実は何層もの重ね着をしているんです。
普段目にしているのは、オシャレをした「上着」の部分。ちょっと恥ずかしい!?「重ね着」の中身を見てみましょう。
【1】 小屋組(こやぐみ)
小屋組とは、住宅の柱と直結して、屋根の土台となるとっても大切な部分です。
細かい建築用語がたくさんありますが、次の3つは屋根の重要な部分で、リフォームや修理の際にも必須で出てくるキーワードです。
【棟木(むねぎ)】
屋根の頂上にある「背骨」の様な部分です。ここを起点に住宅全体が形作られると言っても過言ではありません。
「上棟式(じょうとうしき)」という行事が設けられていることからも、その重要性がわかります。
【軒桁(のきげた)】
棟木と平方に設置される木材で屋根の先端部である軒先(のきさき)側に設置され、
屋根の重さを住宅の柱に伝える部分です。
【垂木(たるき)】
棟木から軒桁に向けて取り付けられる木材です。この木材に野地板(のじいた)を固定していきます。
人の骨格で言うと「あばら骨」のような部分です。
【2】野地板(のじいた)
野地板とは、屋根の下地となる板で、垂木の上に隙間なく敷き詰めます。
ここでようやく、「屋根」の形が見えてきます。
天井裏や屋根裏部屋などから上を見ると見えるのが野地板です。
雨漏りが長年続くと、この野地板の一部が腐ってしまうことがあります。
屋根のリフォームや雨漏り修理で「野地板」の項目がある場合は、業者さんによく確認をして下さい。
ちなみに、弊社の新人くんが間違って「ノジータ」と発音し、現場で笑いを誘っていました。
今は頼りがいのある立派な社員に成長していますよ。
【3】防水シート
防水シートとは、屋根材を葺く前に野地板の全面に敷き詰めるシートのことです。
主に紙や、不織布(ふしょくふ)をベースにアスファルトやゴム成分を染みこませています。
「ルーフィング」「アスファルトルーフィング」「ゴムアス」などと呼ばれています。
もちろん屋根材で雨水を防ぐのですが、屋根材の釘穴や、通気中の水分が屋根材下で結露になり、
わずかな水滴が屋根の下に入ってしまうことがあります。
この水滴を最後の砦として防ぐのが防水シートの役割です。
【4】屋根材
最後にようやく「屋根材」の出番です。
ちなみに屋根を取り付けることを「葺く(ふく)」と言います。
語源は、昔の茅(かや)葺き屋根から、
「草を集める」ことから、
「くさかんむり」に、寄せるという意味をもつ「シュウ」という漢字を合わせたとも言われています。
小屋組が頑丈だから、屋根の重さをちゃんと支えられ、
野地板が綺麗に平らだから、屋根材がしっかり固定でき、
防水シートがあるから、万が一の水滴にも家の中に雨が染みこまないんです。
今回は屋根の構造をご紹介いさせて頂きました。