茅屋根の古民家の屋根改修
茅屋根の古民家を改修
茅葺き屋根(かやぶき・草屋根とも呼ばれます)は全国的にほとんど無くなってしまいましたが、栃木県や茨城県、福島県の農村部ではごく少数ではありますが住居として現役で継承されております。
ただし、茅屋根は定期的に茅を取り替えねばならず、
● 屋根用の茅の減少。
● 茅屋根の衰退により、茅職人が全国でも僅かしかいない。
という理由で、金額面でも工事手配面でも茅屋根の維持管理はとても大変になっております。
観光地や、文化財の建物であれば補助金が出る場合も有り、行政レベルで維持されていますが、一般の民家では茅屋根の維持は非常に困難です。
カナメではこの茅屋根の古民家をこれからも長持ちせるために、独自の技法と金属屋根の重ね葺き改修を行っております。
この改修工法のノウハウをもつ企業も全国でごく僅かとなっており、遠方の地域や、同業他社などからも工事の相談を頂いております。
茅屋根工事の流れ
1.茅屋根の切りそろえ
遠目にはなだらかに見える茅屋根でも、近くで見ると全体的に茅が抜け落ち、歪んでいます。
茅の抜ける原因は長年の雨風ですが、
実は野鳥が巣の材料として茅を抜き取ってしまうことも大きな原因です。
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この茅屋根を新しい屋根ですっぽり覆うために、はじめに軒先部分などを切りそろえます。
かや切りの工事は、床屋さんで襟足や耳の上の髪をバサバサ切るような光景です。
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2.新しい木下地の固定
次に新しい屋根を取り付ける「木下地」を固定します。
茅の上には釘を打つことが出来ないため、
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①茅の上に新しい木材を通し、
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②その「新しい木材」と茅の下にある「既存木材」で、
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茅をサンドイッチする形でワイヤーできつく締め付けて固定します。
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今までの茅を残すことで、
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・断熱効果
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・湿気に対する空調効果
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を付加できます。
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【ここが重要!】
茅の上と、新しい屋根の間に「空間」を設けることで、
茅が湿気を吸収したり、逆に吸い込んだ湿気を放出できる「空気層」を設けます。
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この空洞がないと、湿気が溜まりカビや害虫の発生、茅の腐りなどを引き起こしてしまいます。
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3.新しい屋根の設置
いよいよ新しい金属屋根を覆い被せる工事です。
この覆い被せ(カバー工法)は金属屋根が軽量だから出来る工事方法です。
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重ねる屋根が軽量ですので、柱や基礎への負担は心配ありません。
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新しい金属屋根の耐用年数は30年以上と、長寿命ですので、
従来の茅屋根のような定期的なメンテナンスが必要無くなり、
建物の長期の維持が容易になります。
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古民家を守り伝える
茅屋根の古民家は築後数十年、建物によっては築100年以上という建物も珍しくありません。
家族何代にもわたり受け継がれてきた建物、
その建物に宿る記憶、
古き日本の情景、
これらを伝統の技と、最新の技術でお守りしていくのがカナメの古民家再生リフォームです。
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