日本とアメリカの屋根の違い
屋根の種類、どのくらい知っていますか?
と聞かれると、多くの方が「 瓦 」とお答えになると思います。
詳しい人ですと「 金属屋根 」や「 スレート屋根 」
などを思い浮かべる方もいらっしゃるでしょう。
ですが、これは日本の風景。
アメリカの住宅では、屋根の7~8割は
「 アスファルトシングル 」と呼ばれる屋根材なんです。
このアスファルトシングル、もちろん日本でも販売されていますが、
普段目にする機会は、非常に少ないでしょう。
日本の住宅のデザインは、
以前の純和風から、欧米スタイルの「 洋風住宅 」が大部分を占めるようになったのに、
なぜ、屋根だけは日本と、アメリカでこんなにも違うのでしょう?
アスファルトシングルとは
ガラス繊維を練り込んだシートを、防水性・耐久性に優れたアスファルトでコーティングした、シート状の屋根材です。
屋根の下に敷く防水シートの強化版とも言えます。
【メリット】
・工事が簡単で、材料費・工事費ともに安価
。
・貼り付けるだけなので、自分での修理も簡単
。
。
【デメリット】
・耐久性は劣る(10~20年)
。
・年数がたつと、風によりめくれやすくなる
。
。
簡単に説明すると、このような感じで、
施工が簡単で、補修も自分でできる屋根材です。
では、日本で多い、瓦屋根や金属屋根、スレート屋根と
アメリカで多い、アスファルトシングルでは、
どちらの屋根材が優れているか?
これは、「 両方とも優れている 」
という回答になってしまします。
屋根はその国の文化、気候風土に合わせて進化してきています。
アメリカの住宅は、中古住宅がメインで、
自分たちで修理をすることが当たり前の文化です。
そのため、合理的なアスファルトシングルが屋根材として定着しています。
一方、日本では
屋根の雨漏りを自分で直すことは、ほとんどありません。
なぜなら、日本の四季のある気象風土に合わせた屋根は
丈夫で、長持ちする反面、
構造が複雑で、高度な技量を要するため、
専門家でないと、工事が難しいからです。
この風土とともに進化した住宅の違いが
屋根の違いにつながっています。
家具や日用品とちがって
屋根材では、輸入品が少なく、
また、屋根材の輸出も少ないのも
これが理由です。
生活と共に進化する屋根
屋根は
日本の歴史、生活スタイルの変化とともに
今も変化し続けています。
農耕文化から生まれた木板や草の屋根から、
仏教とともに伝来した粘土瓦、
神社仏閣で広がった銅板屋根、
大量生産、高度経済成長を支えた、セメントを薄い板状にしたスレート屋根、
チタンやガルバリウム鋼板などの新世代の金属屋根。
太陽光発電などの自然エネルギーの融合
今後はIT(IoT)との融合で、
屋根から気象条件や読み取り、
雨が降ってきたらベランダの洗濯物を自動で取り込んだり、
気温が暑くなってきたら、自動で天井の換気をしたりなど
さらなる進化を遂げていくでしょう。
屋根にも歴史あり、
ぜひ一度、ご自宅の屋根に思いをはせてみてくださいね。
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